リエ・ラージェフン (Liye Laajehun) とも呼ばれるモルディブの漆工芸は、かつてはこの島国全域で盛んでした。現在、サルハードゥーは、伝統の漆工芸を今も残す数少ない島のひとつです。

慌ただしい消費の時代では、小規模な伝統の芸術品や工芸品に光が当たらなくなります。悲しいことに、木彫りの伝統工芸であるリエ・ラージェフンもそのひとつとなりました。需要を満たすためには市場投入までのスピードが第一で、以前まで長年の修練と技術を必要としていた芸術形態は、今や工業化された製造業により大量生産されています。

さらに、モルディブの若い世代は、かつて人々が大切にしていた伝統的な芸術品や工芸品にほとんど関心がありません。伝統工芸への関心が薄れ、さらに工芸技術を実演できる職人が少なくなり、リエ・ラージェフンの伝統は消滅の危機に瀕しています。

こちらの体験は、リエ・ラージェフンの豊かな文化遺産を将来の世代のために保存していくことを目的としています。

体験にご参加になるゲストは、地元の職人とリエ・ラージェフン産業をサポートする上で重要な役割を果たします。ワークショップ「Liyelaa」は、ご自身でものづくりをしていただける機会を提供するだけでなく、芸術の存続を支援します。生産者から直接工芸品を購入していただくと、地域経済を直接支援することになり、作品を家に持ち帰っていただくと、伝統工芸品や遺産の保存に貢献することになるのです。